犬は歩かないか、棒に当たるかだ。

犬も歩けば棒に当たる

かるたで有名なことわざ。
これと同じ意味は

犬は歩かないか、棒に当たるかだ。

になります。本当でしょうか。

ちょっと考えると…

  • (犬も)歩けば棒に当たる

と同じ意味になるのは

  • (犬は)歩かなければ棒に当たらない

のように思えます。でも本当にそうでしょうか。

ちょっと別の例で考えてみましょう。

  • 食器を割れば、お母さんに怒られる。

これは

  • 食器を割らなければ、お母さんに怒られない。

と同じことでしょうか。
いやいや。食器を割らなくても、たとえば宿題をしなくてお母さんに怒られることもありそうです。

  • AならばB

のとき

  • Aでない、ならば、Bでない

は必ずしも成り立ちません。

「犬も歩けば棒に当たる」の仕組み

  • 「歩く」+「棒にあたる」=○
  • 「歩く」+「棒にあたらない」=×
  • 「歩かない」+「棒にあたる」=○
  • 「歩かない」+「棒にあたらない」=○

これは要するに、

  • 「歩かない」または「棒にあたる」

と同じことになります。

「ならば」を「または」で表す。
日常的な言語の仕組みも、まるで数学のように考えることができるのです。