2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

思考の贅肉カット(オッカムの剃刀)

「オッカムの剃刀(かみそり)」という思考の規則があります。 <オッカムの剃刀> あることがらを説明するときは、必要以上に多くの存在や前提を持ち込むべきではない。 これはもともとアリストテレスが唱えた思考規則だそうです。イングランドのオッカム村…

“世界最弱”のヒーロー「ストローマン」(わら人形論法)

※この記事は「きくこといいこと」ブログに引っ越しました。

領域を取得する6つの方法

国境ってなんだろう?のつづき「国際法」とは国家間・国際社会の法のことです。 といっても、国際社会には国家の議会に相当するような統一的な立法機関は存在しません。そのため国際法のあり方は国内法とは異なっています。 すべての国家を拘束する国際法は…

国境ってなんだろう?

尖閣諸島は誰のもの?(1)のつづき 1本の線を引いて その後をどこまでもたどっていきなさい それを国境とよびなさい その線の内側で暮らしなさい そもそも「国境」という概念はいつ定まったのでしょうか。 1万年前の地球には、国境は引かれていませんで…

尖閣諸島は誰のもの?(1)

領土問題の論理的な解法(2)のつづきそういえば最近、石原慎太郎東京都知事が尖閣諸島の買い取りを宣言してニュースになりましたね。領土問題シリーズを放置していたので、この題材をきっかけに考察してみたいと思いました。まず、たまたまネットニュース…

クオリア観察法

クオリアメモ議論(Popuraさんへの回答2)のつづき「クオリアの謎は解きようがない」という見解には、以下のような論拠があります。 クオリアは、その人自身にしか出現しない。外部から「クオリアそのもの」を観察することは不可能である。 たとえ脳に電極…

クオリアメモ議論(Populaさんへの回答2)

クオリアメモ議論(Populaさんへの回答1)では、Populaさんのコメントの内容をぼくなりに確認してみました(誤解があれば指摘してください)。そのうえで、ぼくの考えを述べたいと思います。 まず、Populaさんの立論の骨格は、ぼくの考えでは以下のようにな…

クオリアメモ議論(Populaさんへの回答1)

昨日の記事(クオリアメモ1〜4)についてPopulaさんという方からコメントをいただきました。ありがとうございます。ちなみに、このブログでは異論・反論大歓迎です(あんまり多すぎると対応できませんが)。論理的にアプローチすることで議論を整理し、日…

クオリアメモ(1)

ゾンビ論法は循環論法?のつづき「主観的体験をともなう質感」を「クオリア」(qualia)といいます。 特別扱いを認めないことで発展してきた科学が、いまだに特別扱いせざるをえないのが、私たちの意識、主観的体験である。(中略) ここで、クオリア(quali…

クオリアメモ(2)

クオリアメモ(1)のつづきクオリアについて最近考えたことを、ちょっとメモしておきます。この世界が物質でできているとしたら、なぜそこにさまざまな色、肌触りや温かさ、匂いが出現するのでしょう? 将来、人間と同じように動いたり、考えたり、泣いたり…

クオリアメモ(3)

クオリアメモ(2)のつづき 【哲学的ゾンビの議論は成り立たない】 仮説:「クオリア」「意識」「私」は脳の演算結果である。 この仮説を採用するならば、同じ仕組みの脳(計算機)が2つあれば、演算結果も似かよったものになるはずです。つまり、仕組みは…

クオリアメモ(4)

クオリアメモ(3)のつづき「明るさ」のクオリアの話について、もう少し補足してみます。 外部から入力される情報は無限にあります。これを a1, a2, a3, a4, …… とします。この入力情報は脳内で処理されて、 必ず4種類のうちどれかの演算結果が導かれます…

ゾンビ論法は循環論法?

ゾンビは誰?のつづき物理的(科学的・電気的)反応としては人間とまったく同じだけれど、内面(意識体験・クオリア)をもたない人間がいたとしたら… こんな風に考えていくことで、われわれ人間には肉体とは別の内面が存在するのだとする論証を「ゾンビ論法…

ゾンビは誰?

ココロとカラダ。未解決のパズルを解こう!のつづき鏡を見ながら、こんな風に想像してみてください。もしも、外見、表情、行動などすべて自分そっくりだけれど、自分のようなココロを持たないゾンビがいるとしたら?見ても、触れても、会話しても、あなたと…

波と山脈

これは葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。 荒波の向こうにみえる小さな、堂々とした富士山。西洋風のカチッとした遠近法に縛られていると、なかなかこんな大胆な構図は思い浮かびません。ゴッホはこの絵を賞賛し、ドビュッシーはここから発想を得て…

ハンプティ・ダンプティと言葉の意味

そこに愛はあるか?のつづき 「こりゃあ名誉なことだなあ」「名誉って、どういう意味で?」ハンプティ・ダンプティはふふんとせせらわらって、「わかるわけないだろ、ぼくが教えないかぎり。つまり<こてんぱんに言いまかされたね>っていう意味でいったんだ…

そこに「愛」はあるか?

ロゴスとロジック(言葉と論理)のつづき 【問題】 この絵のなかに愛はあるでしょうか? これはラファエロの「テンピの聖母」という絵です。 今回、「愛が描かれた絵画」を捜そうと思って真っ先に思い浮かんだのがラファエロでした。でも、ここには本当に愛…

ロゴスとロジック(言葉と論理)

「愛」は定義できるか?のつづき正しい思考について知るためには、間違った思考についても知る必要がある。そう考えたのは、古代ギリシャのアリストテレスでした。 アリストテレスは、一見きちんとした推論にみえるけれど実はヘンだという議論を、13種類リ…

「愛」は定義できるか?

※春は、いつからいつまで?(コトバの意味について)のつづき 愛は現実、現実は愛 愛は感じること、感じることは愛 愛は愛されたいとのぞむこと愛は触れること、触れることは愛 愛は届くこと、届くことは愛 愛は愛されたいと求めること愛は君 君と僕 愛は知…

あなたは直観派? 論理派?

僕がこうしたいと思うことはイイこと。 僕は直感に従うんだ。 直感が僕を運んでいってくれる。 でも僕にはみんなの迷信がわからなかった。 まるで自殺するみたいじゃないか。僕が人生のゲームをするとき それが毎日よくなっていくように頑張ってる。 僕が夜…

ココロとカラダ。未解決のパズルを解こう!

※グルメな王様のつづき 世界で起っているものには、二つのまったく異なる種類のものがあるように思われます。一方は物理的実在に属し、多くの異なる人々が外部から観察できます。もう一方は心的実在に属し、私たちは一人一人、自分の場合にそれを内面から経…

春は、いつからいつまで?(コトバの意味について)

※「人間とは何か?(遊ぶ人)」のつづき春ですねえ。東京では桜の花がきれいです。ところで、春はなぜ「はる」というのでしょう?一説には、草木の芽が「張る」からだとも。万葉集でも「春ははりつつ 秋は散りけり」と歌われています(巻9・1707)。生命力が…

民主主義は奴隷制度!?(語源の濫用)

※本当は恐ろしい鳥取県民のつづき次の2つの主張のどこがおかしいか考えてみてください。 (例1)民主主義は致命的な欠陥をかかえている。国家の命運を左右するもっとも重要な局面において、民主主義では誤った選択をしてしまう可能性が非常に高いのである…

本当は恐ろしい鳥取県民!?

漢字がもともと絵から生まれたことは皆さんご存知ですよね。「山」という漢字は山の形から、「川」という漢字は川の形から生まれました。「鳥」という漢字が鳥の形から生まれたことを知っている人も多いと思います。 では、「国民」「市民」「民主主義」など…

人生が380度変わる!ガッツ石松的発想法

クイズ番組で「太陽はどこから昇るでしょうか?」という問題に…「太陽が昇るのは右からだろ」 元WBC世界ライト級チャンピオンのガッツ石松さんには、数多くの名言があります。 私はボクシングで人生が380度変わりました。 結局20度しか変わらなかっ…

グルメな王様

ドラえもんのココロのつづき 王様は料理を一口食べたあと、不思議そうにつぶやきました。 …天才科学者の「心」は何より美味と聞いたのじゃが、はて? 「心」はいったいどこにあるのじゃ? 人はそれぞれひとつずつ「心」を持っている…わたしたちは、何となく…