あなたはシャルリー? Are you Charlie?

フランスの風刺週刊誌「シャルリー・エブド」襲撃事件について。Q&A JapanグループとFBの自分のページで意見を訊いたところ、30人近くが回答を寄せてくれた。

イスラムを侮辱した側にすべての責任がある(アルジェリア・男)

テロ自体を正当化する意見はこの1人を除いて皆無。イスラム教徒も他の人々も、原則として暴力を正当化することはない。ぼくのメモから、いくつかの意見を取り上げてみよう。

イスラム教徒の意見)

  • イスラムは平和と知識を重んじる偉大な宗教です。一方、フランスは過去に多くのイスラム教徒を殺しているが、彼らがテロリストと呼ばれることはありません。
  • イスラムは平和の宗教です。あの殺人者たちはイスラム教徒ではありません。
  • アメリカとイスラエルイスラム教徒に何をしたか思い出してみて。もしシャルリーがイスラムを侮辱しなければ、こんなことは起こらなかったはず(アルジェリア・女)
  • 私はシャルリーじゃない。
  • これは「表現の自由」の限界を越えている。
  • すべては仕組まれた、政治的しわざ。

(非イスラム教徒--イスラムに批判的な意見)

  • イスラム教徒は自分たちを「平和的な宗教」というが、このような事件は今回に限ったことではない。(インド・男)
  • 風刺画かどうかは関係ない。ボコ・ハラムリビアの過激派をみてみよう。何の理由もなく、彼らがどんな残酷な行為を行っているか。(イタリア・男)
  • イスラムは 21世紀の宗教ではない。6世紀*のままの基準で行動している。シャルリー・エルボは単なる風刺であり、彼らには表現の自由がある。(オーストラリア) *7世紀の間違い?
  • イスラムは野蛮。多くの他教徒がイスラムの脅威にさらされている。(インド・男)
  • ペンに銃弾で仕返しするのは、あってはならないこと。平和的なイスラムはOKだが、過激派は断じて許されない。(ブルガリア・男)
  • シャルリーは自分たちの意見を表現しただけ。それに過剰反応して悪を働くべきではない。また、一般のイスラム教徒は、彼らテロリストに対してNO!と言うべきだ。西欧諸国が多くのイスラム教徒を殺したという意見もあるが、歴史は歴史として分けて考えるべきだ。(オーストラリア・男)
  • コーランには少なくとも199の攻撃的な教えがある。イスラムには女性差別もある。(ウルグアイ・男)

(非イスラム教徒・その他の意見)

  • 私は「表現の自由」を支持する。しかし今回の風刺漫画は、もっと慎重であるべきだった。(アメリカ・男)
  • シャルリーは侮辱的な振る舞いで、過激派の犯罪を呼び込んだ。(ロシア・女)
  • 宗教そのものは平和的でも、その目的を忘れた人がいる。(インド・男)

ぼくの見解をメモしておくと…

  1. 武器を持たないものに対する殺人は重大なルール違反である。テロ行為が正当化されることはない。
  2. 一方、シャルリー・エルボの「風刺画」は、風刺する対象を誤っている。真の敵は「暴力」のはずだが、執拗に「イスラム教」を攻撃することで新たな憎悪を誘発した。もし彼らが他者の信仰に一定の敬意を払ったうえで暴力行為を風刺していたならば、世界に十数億人いるイスラム教徒のほとんどは彼らに理解を示しただろう。

多くの人にとって信仰は人生の大切な土台になっている。相互理解の観点からすると、相手の信仰を否定しつつ相手を説得しようとするのは、もっとも効率の悪い方法である。


(筆者)