「面白い質問を作る!」ワークショップ

先週末、ワークショップを開催しました。テーマは「”面白い質問”をつくる!」でも、この場合の「面白い」は「ゲラゲラ笑うような」という意味ではありません。

「面白い」という日本語はもともと「面」が「白い」で、「目の前の景色がパッと開ける」という意味でした。そんな意味での「面白い」。言い換えるならば、「わくわくする」「お互いに発見がある」「答えを見つけるプロセスが楽しい」etc. そんな質問を作ってみようというコンセプトでした。


※撮影:高野真俊氏(日本メンタルヘルスケアサポート協会)

では「面白い質問」にはどんな例があるか?

(1)

「絶対に失敗しないと分かっていたら、何に挑戦するだろう?」
What would you attempt to do if you knew you could not fail?

レギーナ・ドゥーガン「マッハ20のグライダーからハチドリロボットまで」

これはあるアメリカ人牧師が唱えて、その後TEDトークなどをつうじて世界に広がった質問。実際に、挑戦できないことの最大の原因は「失敗を怖れること」だともいえます。あなたならどう答えますか?

(2)

デーモン小暮閣下は、普段の話し声は低音のダミ声なのに、歌っているときにはボーイソプラノのように高い声になるのはどうして?」

これは阿川佐和子さんのベストセラー『聞く力』(文藝春秋)にあるエピソード。この質問に対して、デーモン閣下は明快に答えます。「あれだけの轟音で演奏している中で、低い声で歌うとぜんぜん聞こえない。だからヘヴィメタのボーカルはみんな必然的に高い声で歌う」。素朴でありながら本質的&具体的な阿川さんの質問をつうじて、「ヘヴィメタル」の特徴が見事に浮き上がってきます。

(3)

「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを私は本当にやりたいだろうか」
“If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?”


(動画9分10秒〜)

アップル創業者スティーブ・ジョブズが17歳の時から30年以上、毎朝鏡に向かって問い続けた質問。もしNOの答えが続くようなら何かを変える必要があることを彼は知っていました

(4)

「なぜ写真ができるのをこんなに待たなければいけないの?」

1943年のある晴れた冬の日、3歳の女の子が発した素朴な質問がポラロイドカメラ発明のきっかけになりました。彼女の父、発明家エドウィン・ランドは数年後のスピーチで、このときの質問は「娘が僕にくれたパズルだった」と振り返りました。


いかがでしょう。こんな「面白い質問」を持って日常生活を送ることができたら・・・ワークショップ参加者が1つでも2つでもヒントを持ち帰ってくれたとしたら、こんなに嬉しいことはありません。


手づくりの「質問カード」

最後に感想を少し。初めてワークショップを開いてみて感じたのは、自分が目指すコミュニケーションのスタイルについてです。

「一方的に教える講義型」…これは自分には合わないと思いました。
「参加者と話しながら進める対話型」…この方向を追求してみたい。

ワークショップ参加者には、社会経験が私よりずっと豊富な方もいます。コミュニケーション技術のプロもいます。その方たちに既存の知識を「教える」というよりは、こちらが「面白い」と思ったことを提供しながら、同時に私自身も学んでいけるような双方向の場が作れるといいなと思いました。

「面白い質問」については、今後もネタを増やしていきたいです。何かアイデアがありましたら、気軽にコメント・メッセージをください。