論理か、メタファーか。

論理か、メタファーか。それが問題だ。

論理は、地面にレンガを1個1個積み上げていくような思考法だ。対するメタファー(隠喩)には、鳥が空を飛ぶように、一瞬で目的地にたどりつく力がある。(ちなみにメタファー(metaphor)の語源は、古代ギリシャ語の 「meta-(…を越えて)」と「phorein(運ぶ)」)

論理だけでは多くの人の心を掴むことはできない。だからといってメタファーだけでは、結局、何が正しくて何が間違っているのか誰も判定できないだろう。

さて、とりあえずの結論。
「論理か、メタファーか」という二者択一の問いが、そもそも間違っているのだ。ぼくが考える正解は「論理もメタファーも」である。
魅力的なメタファーで人の心をつかむ。しかし、その骨格には論理があり、いつでも論理にもどることができる。そんな往復運動を備えた表現が理想である。