部屋の中あるいは外

「哲学上の疑いにとらわれている人は、部屋の中にとじこめられて、どういう風にして抜け出せばよいかわからない人に似ている。窓から抜け出そうとしても窓は高すぎる。煙突は狭すぎて出られない。そういうときに、もし百八十度うしろを向くと、ドアがはじめからずっと開きっぱなしだったことに気がつく! 哲学もこれと同じだ」(ウィトゲンシュタイン

(ノーマン・マルコム『ウィトゲンシュタイン 天才哲学者の思い出』板坂元訳/平凡社ライブラリー p64)