テツガク

ピレネーのこちらとあちら

※この記事は「きくこといいこと」ブログに引っ越しました。

部屋の中あるいは外

「哲学上の疑いにとらわれている人は、部屋の中にとじこめられて、どういう風にして抜け出せばよいかわからない人に似ている。窓から抜け出そうとしても窓は高すぎる。煙突は狭すぎて出られない。そういうときに、もし百八十度うしろを向くと、ドアがはじめ…

デカルトvs.世間の人々

結局、デカルトは全てを疑って何をしようとしたのでしょう? けれども、わたしがその時までに受け入れ信じてきた諸見解すべてにたいしては、自分の信念から一度きっぱりと取り除いてみることが最善だ、と。 わたしの計画は、自分の思想を改革しようと努め、…

デカルト怪物説のリアリティ

20年も前ですが、大学生のとき映画の授業を受けたことがあります。そのときのテーマは1930年代から40年代にアメリカで流行したスクリューボール・コメディというジャンルで、講師は映画評論家でフランス文学者でもあるH先生でした。 映画から軽々しく教訓…

球体のカント

地球は球体であって、どこまでも はてしなく広がっているわけではなく、 かぎられた土地のなかで、人間は たがいに我慢し合わなくてはならない。カント『永遠平和のために』(池内紀・訳)

木の描き方とロジックツリー(2)デカルトによる4つの規則

木の描き方とロジックツリー(1)レオナルド・ダ・ヴィンチの木のつづき未知数を小文字の「x」で表現する。最初にこの表記をはじめたのは誰だかご存知ですか? …答えはフランス生まれの哲学者・数学者ルネ・デカルト(1596-1650)です。デカルトより半世紀…

ニーチェの永遠回帰は終わらない

うろ覚えで恐縮だが、晩年のニーチェが『ツァラトゥストラかく語りき』で唱えた「永遠回帰」という思想がある。 そこで語られるのは「この世のできごとは永遠に繰り返される。だからこそ、我々は自分の生を絶対的に肯定しなければならない」という壮大な世界…

デカルトの発禁すれすれ本

昨日の記事でデカルトの『方法序説』に言及した。 「我思う。ゆえに我あり」で有名な、教科書にも登場する『方法序説』。だけど出版当時は発禁本すれすれ、相当ヤバイ(!)本だったことをご存知だろうか。『方法序説』が出版されたのは1637年。このときデカ…