ちいさな島の話

ひゃくまんねんまえ
かいていかざんがふんかして
なみのうえに
ちいさなしまがうまれました

しまはおしゃべりでは
ありませんでした

なぜといって かれはしまであり
しまのいちぞくは
なんおくねんもむかしから
ちんもくをあいしていたからです

それからひゃくまんねんのあいだに
ひゃくまんかいのはると
ひゃくまんかいのなつと
ひゃくまんかいのあきと
ひゃくまんかいのふゆが
めぐりました

あるとき
にほんあしのどうぶつが2ひき
しまにながれつきました

2ひきはそっくりのかおで
しまはおおむかしから おれのものだったと
いいあらそいました

それをきいて ちいさなしまは
こえをたてずにわらいました

2ひきのどうぶつがしんでから
どれだけのとしつきが
ながれたことでしょう

すくなくとも
ひゃくまんかいのはると
ひゃくまんかいのなつと
ひゃくまんかいのあきと
ひゃくまんかいのふゆが
めぐり めぐりました

ちいさなしまはあいかわらず
おしゃべりではありませんでした

なぜといって かれはしまであり
しまのいちぞくは
なんおくねんもむかしから
ちんもくをあいしていたからです

なみのおとと
かぜのおとと
うみどりのうたごえをききながら
しまは きょうも
ここちよいちんもくに
みをゆだねているのでした