質問学の座標

「質問学」とは、質問のスキルをつうじて、個人的・社会的な成果を追求する方法論のことである。最近そんな風に考えはじめている。

☆質問学のコンセプト
いい答えは、いい質問から。


実際、日常生活や社会生活のさまざまな場面で質問の技術が役に立つことは疑いようがない。それらを仮に分類してみよう。

知識を得る

「これは何だろう?」「なぜこうなるんだろう?」と質問をすることで、知識を得ることができる。小さな子どもの質問から、ニュートンアインシュタインの科学的発見まで、知識の獲得はすべて質問から始まる。

問題解決

「答えが見つからないのは、そもそも問題が分かっていないから」ということは多い。問題解決のために、的確な問いの設定はかかせない。

合意形成

質問を通じて情報や認識をシェアすることにより相手と合意形成する。明確な正解がなくても、これも質問から得られる成果である。

相手を動かす

質問をつうじて、相手に考えさせ行動・変化を起こさせることも可能だ。

自己管理

アップルの創業者・スティーブ・ジョブスは、毎朝鏡に向かって問いかけた。「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを私は本当にやりたいだろうか」と。今日一日、あるいは人生において「自分が何をやるか」は「自分にどんな質問をするか」ということと大きくかかわってくる。(動画9分10秒〜)

親密さ

相手のことをもっと知りたいと思い、相手に質問する。恋愛でも友情でもビジネスでも、いい人間関係を築くために質問はかかせない。「あなたのこと、もっと教えて!」

クリエイティブ

どんなジャンルであれ、ただ漠然と表現するのではなく、オリジナルの視点や問題意識をもつことが、いい表現の始まりとなる。「人間の体の構造はどうなっているのか?」「水の動きはどうなっているのか?」「人間に輪郭線を描く必要があるのか?」という様々な問いが、レオナルド・ダ・ヴィンチに新しい表現技術をもたらした。優れた芸術家は、得てして優れた質問を有しているものである。


以上の分類は、あくまで現時点での大雑把なメモ書きである。
まずは印象的な質問の実例を100例ほど集めてみて、再分類してみようと考えている。