銀座三越のエレベーターガール
銀座三越の屋上には大人の背丈ほどもある地蔵が祭られています。
江戸末期に地中より掘り出されて、明治期にはこの「出世地蔵」の縁日が大いに賑わったのだそうです。
その三越のエレベーターで、ふと思いました。
「昔はデパートといえば『エレベーターガール』がいたなあ。
いつからいなくなったんだろう」
「こういうことは、つい最近のように思っても、
案外年月が経っていたりするものだ。
ひょっとして平成の初めぐらいからだったりする?」
そして、1階「インフォメーション」で店員に質問してみることにしました。
でも心の中で半分はこんな風に思っていました。
「エレベーターガールがいついなくなったかなんて、
いきなり聞かれても分からないだろうな」
ところが、店員さんの答えは予想外のものでした。
「今もいますよ。
土日祝日、また平日も時間帯によっています」
いつも必ず勤務しているわけではないけれど、
来客が多く混雑する土日祝日、また平日午後早い時間帯には
以前と同じように案内をしているということでした。
わたしは、自分が乗ったときにエレベーターガールがいなかったことから、
エレベーターガールのシステム自体がなくなってしまったのだと
すっかり思い込んでしまっていたのでした。
◆
先週、某所で「インタビュー実践講座」を一日受講しました。
そこではこんなことを学びました。
「何でも質問すればいいわけではなく
仮説を立て、質問によって検証することが大切」
相手にぶつける仮説のセンスがいいと、質問者はもちろん
質問される側にとっても発見があるインタビューが実現できます。
今回の質問は、深く考えず聞いてみただけでした。
とはいえ、あえて「仮説」という視点で振り返ってみると、
つぎのようにいえるかもしれません。
前提:エレベーターガールは もういない。
仮説:いなくなったのは平成の初めごろ。
質問:いつエレベーターガールはいなくなったんですか?
だけど、そもそも前提となる事実認識がちがっていたことになりますね。
これをふまえて質問をやりなおすなら、つぎのようになります。
質問(改):エレベーターガールは、もういなくなったんですか?