銀座三越のエレベーターガール

銀座三越の屋上には大人の背丈ほどもある地蔵が祭られています。
江戸末期に地中より掘り出されて、明治期にはこの「出世地蔵」の縁日が大いに賑わったのだそうです。

その三越のエレベーターで、ふと思いました。

「昔はデパートといえば『エレベーターガール』がいたなあ。
 いつからいなくなったんだろう」

「こういうことは、つい最近のように思っても、
 案外年月が経っていたりするものだ。
 ひょっとして平成の初めぐらいからだったりする?」

そして、1階「インフォメーション」で店員に質問してみることにしました。
でも心の中で半分はこんな風に思っていました。

「エレベーターガールがいついなくなったかなんて、
 いきなり聞かれても分からないだろうな」

ところが、店員さんの答えは予想外のものでした。

「今もいますよ。
 土日祝日、また平日も時間帯によっています」

いつも必ず勤務しているわけではないけれど、
来客が多く混雑する土日祝日、また平日午後早い時間帯には
以前と同じように案内をしているということでした。

わたしは、自分が乗ったときにエレベーターガールがいなかったことから、
エレベーターガールのシステム自体がなくなってしまったのだと
すっかり思い込んでしまっていたのでした。

先週、某所で「インタビュー実践講座」を一日受講しました。
そこではこんなことを学びました。

「何でも質問すればいいわけではなく
 仮説を立て、質問によって検証することが大切」

相手にぶつける仮説のセンスがいいと、質問者はもちろん
質問される側にとっても発見があるインタビューが実現できます。

今回の質問は、深く考えず聞いてみただけでした。
とはいえ、あえて「仮説」という視点で振り返ってみると、
つぎのようにいえるかもしれません。

前提:エレベーターガールは もういない。
仮説:いなくなったのは平成の初めごろ。
質問:いつエレベーターガールはいなくなったんですか?

だけど、そもそも前提となる事実認識がちがっていたことになりますね。
これをふまえて質問をやりなおすなら、つぎのようになります。

質問(改):エレベーターガールは、もういなくなったんですか?