国立がん研究センターがJTに反論

うやむや【有耶無耶】
あるのやら、ないのやら。ものごとがはっきりしないようす。いいかげんで、あいまいなようす。「事件がーになる」(角川必携国語辞典))

国立がん研究センターが一昨日、「受動喫煙と肺がんに関するJTコメントへの見解」を発表した。これは、受動喫煙健康被害をうやむやにしようとするJTに対して、専門機関が正面から反論したものだ。

たとえば複数の論文を統合評価するメタアナリシスについても、JTが示唆するような恣意的なものではなく、国際的なガイドラインに従って行われていることがわかる。

JTコメント)
これは、過去に実施された日本人を対象とした疫学研究論文から9つの論文を選択し、これらを統合して統計解析したところ、受動喫煙を受けない非喫煙者のリスクを1とした場合に、受動喫煙を受けた非喫煙者のリスクが1.3となったとの結果をもって、受動喫煙と肺がんとの関係が確実になったと結論付けた発表であると認識しております。

国立がん研究センターの見解)

「9つの論文を選択し」との表現は恣意的に選択したような印象を与えるが、今回国立がん研究センターが報告したメタアナリシスでは、国内外の医学論文データベースなどから受動喫煙に関するキーワードで426論文が抽出され、2名の評価者が独立して関連論文の抽出をした結果として9論文が選択されている。この手法は、メタアナリシスの国際的なガイドラインであるPRISMAに従ったものである。

わたしも数ヶ月前、JTのお客様センターに電話で質問したことがある(JTさんに質問:パッケージ警告文の内容に同意していますか?)。そのときのまとめは、以下のようなものだった。

  • Q1:パッケージ警告文を載せることには同意しているが、内容には必ずしも同意していない。(中略)
  • Q3:誰がどんな基準で文献を判断しているのかは、はっきりしない。

機会があれば、国立がん研究センターにも問い合わせたいと思っていた。今回、専門機関がきちんと見解および論拠を示してくれたのは、議論の論点を明確化するうえでとても喜ばしいことだと思う。

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