築地本願寺で男性同士の「結婚式」

友人がSNSに面白い投稿をしていました。築地本願寺を訪れたら男性と男性の「結婚式」が行われていたのだとか。許可をもらったので、投稿をそのまま転載してみます。

連休最終日、筑地を散策。
市場より興味がある築地本願寺へ。

「あ、なんか結婚式やってる」という様子。
でも中は見学できるようなので入ってみることに。

みればすでに出席者も着席していて、
新郎新婦が入場する、まさにその直前。

しかし、あれ?
紋付き袴の新郎は2人いるが、白無垢の新婦がいない。

「これは、ひょっとすると」
と思っていると、やはりアナウンスが。
「〇〇様、◆◆様のパートナシップ〜式を執り行います」。

ふ〜ん、なるほど。という感じ。
俗にいうLGBTに対しては、特段好悪はない。
私はたまたま異性愛者なだけで、
同性愛者が存在しても不思議じゃないし、
お互いの感情が本物なら家庭を築くってのも自然だと思う。ただ、私が思ったのは
「あぁ、こういう場所でも受け入れるようになったんだなぁ」
という事への感慨深さ。

日本って「マイノリティと仕分けされている存在」に対して、
すっごく厳しい国だったから
こういう変化は良い事なのだろうとふと思った体育の日。

どうでしょう。仏教寺院で男性同士の結婚式。気になりませんか?

ちなみに、日本ではまだ法律上の同性婚は認められていません。昨年11月に東京都渋谷区と世田谷区で「同性パートナーシップ証明書」が交付されました。その後、三重県伊賀市兵庫県宝塚市沖縄県那覇市などが続いているようです。

LGBTとは性的少数者のうち「レズビアン」「ゲイ」「バイセクシュアル」「トランスジェンダー(性的越境者」を指す言葉です。ぼくが先日、ある講演会で聴いて面白いと思ったのは、「身体の性」「心の性」「性的指向」の3つの軸でLGBTを理解するという方法でした。

たとえば、僕自身なら「身体の性=男」「心の性=男」「性的指向(性の対象)=女」なので次のようになります。
(身体, 心, 対象)=(♂, ♂, ♀)

もしあなたが女性で、恋愛の対象が男性なら…
(身体, 心, 対象)=(♀, ♀, ♂)

レズビアンとゲイはどうなるかというと…
レズビアン:(身体, 心, 対象)=(♀, ♀, ♀)
ゲイ:(身体, 心, 対象)=(♂, ♂, ♂)

バイセクシュアルとトランスジェンダー(たとえば身体の性と心の性が一致しない状態)は…
バイセクシュアル:(身体, 心, 対象)=(♀, ♀, ♀♂)or (♂, ♂, ♂♀)
トランスジェンダー:(身体, 心, 対象)=(♀, ♂, ♀)or (♂, ♀, ♂)

このように身体の性、心の性、性的指向の組み合わせで考えると、一定の割合でLGBTの人たちが存在することが理解しやすいのではないでしょうか。

LGBTの人たちは、だいたい5%〜10%の割合で存在するのだそうです。学校の1クラスに1〜2人、あるいは左利きの人と似た割合だともいわれます。「皆さんの周りに左利きの人はいますか?」と訊かれて答えがYESなのに、「皆さんの周りにLGBTの人はいますか?」と訊かれて心当たりがない場合、実際にはいるのだけど、あなたが知らないだけという可能性があります。

さて、最初の築地本願寺の話に戻ります。ぼくは職場が近かったこともあったので、築地本願寺を訪れて質問してみました。

築地本願寺では結婚式も行っていますが、一昨日行われたのは結婚式ではなく「報告参拝」なのだそうです。報告参拝とは、たとえば日本の伝統行事でいう「お七夜」「七五三」や、西洋の金婚式にあたる「結婚50周年」など、人生の折々の機会に、それを仏前で報告する儀式だとか。

一昨日の人たちはお互いにパートナーとなったことの報告を行ったということなのでしょう。男性同士のこのような儀式は、築地本願寺でも初めての試みだったそうです。内部では多少、議論もあったのだとか。

歴史を紐解いても、「奴隷」「黒人」「女性」「子供」…などなど、それまで権利が認められなかったひとが人間らしく生きる権利は徐々に広がっています。そして権利が拡張される過程では常に、賛否両論、さまざまな議論が巻き起こります。

ぼくがたまたま目にした築地本願寺の話、また講演会でなるほどと思った性の組み合わせの話が、皆さんの理解を深めるうえで少しでも役立てば嬉しいです。

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