東京国際映画祭 Q&Aセッション
東京国際映画祭を見学してきました。映画祭見学は初めてです。
上映終了後に30分のQ&Aセッションがあるので、「そこでどんな質問をしよう」と考えながら映画を鑑賞しました。
ちなみに、上映前のこと。僕が膝の上にノートを出していると、隣りの女性から「すみません…上映中にメモをとられますか?」と尋ねられました。
ぼく:「はい…何か?」
女性:「ずっとメモとります?」
ぼく:「いえ…とりたくなったときにとるだけなんで」
女性:「そうですか」
ぼく:「何かまずいことあります?」
女性:「ときどき、メモをとる音が気になってしまうことがあるので…。ずっとじゃなければ大丈夫なんですが」
ぼく:「あ、そうですか。じゃ、とりません」
そう言ってノートをしまいました。女性は安心したようでした。
もうひとつ余談ですが、上映終了後Q&Aセッションに移るとき、最初に気になったのが、「写真を撮っていいか?」ということでした。ぼくはその隣りの女性に聞きました。
ぼく:「すみません。写真は撮ってもいいんですか?」
女性:「いいんじゃないでしょうか」
最初に向こうから話しかけられていたぶん、こちらから質問するのも楽になるという実感がありました。ちょっとしたことですけど。
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さて、ぼくが観た映画は実験的な作品でした。モノクロの画面、ひと言もセリフを発しない主人公。何も起こらない日常が1日目、2日目、3日目…とくり返されていくような。
そんな繰り返しの中で、突然音楽が入ってくると、なんだか不思議な感覚に見舞われます。この映画監督はそんな「感覚」を描きたいのかな…などと思いながら観ていました。
後半になると、その「ひとことも喋らない主人公」の事情が観客にも明かされます。すると、「この監督は何らかの社会的メッセージを伝えたいのだろうか」という疑問もわいてきました。
Q&Aセッションでは、そのあたりのこと、作品制作の核になっているのは「感覚」なのか「メッセージ」なのか、それとも…というような質問をしてみました。また、次々と大勢が手を挙げるような質問タイムでもなかったので、Q&Aセッションの最後に2回目の質問もしてみました。
質問タイムになって初めて質問を考えようとしても、なかなかでてきません。もちろん、部分的に「これは何だろう?」と思うことはあるでしょうが、それはいわば「部分的な確認」の質問だといえます。
そうではなく、もっと本質的な質問、たとえば「創作の核になっている思いは何だろう?」というような質問をするには、そこにいたる自分なりの視点の提示が必要になります。
(1)「監督はどんな思いで、この映画をつくったのですか?」
(2)「ぼくは映画を観て……が気になりました。そのとき、これはAだろうかBだろうかと考えました。監督はどんな思いでこのシーンを撮ったのですか?」
(2)のように「視点の提示→質問」が上手くできると、これまでにない新しい発見が得られる可能性があります。
ぼくもまだまだ上手くできませんが、また機会を見つけて、(2)のタイプの質問を試してみようと思います。
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