司会と「聞き上手」

スピーチのサークルに参加しはじめて、今日でちょうど一年になります。

今週は15人ほど参加する例会の司会を務めました。司会者は2時間の例会を運営する分刻みのスケジュールを作成し、当日のアクシデント(欠席・遅刻など)にも対応します。

たまたまなのかどうなのか、今週は当日欠席者や遅刻者が続出しました。スピーチする人(5人)以外にも、それぞれのメンバーに当日の役割があるので、足りない役割を割り振ったり、コーナーの順番を入れ替えたり、慌ただしい回になりました。いろんな変更があっても、定められた2時間の中で予定のスケジュールをぜんぶ消化することが原則なのです。

(もちろん他の方のサポートがあることが大前提ですが)全体のやり繰りをしながら、「この感覚は何かに似ているなあ」と感じていました。僕の本職であるラジオのCMや番組作りのスタジオ作業に似ているのです。

テレビなど規模の大きい業界と違って、ラジオのCMディレクターは、ひとりで時間管理とクオリティー管理をこなします。つまり「時間をかけていいものを作りたい」と「予算内に収めるために時間内に終わらせたい」を両方考えながら、スタジオ作業を進めるのです。

そのイベントのキーマンではあるのだけれど、自分のことだけに没頭するのではなく、全体を見ながらリアルタイムで進めていく感覚でしょうか。また、会場やスタジオの雰囲気づくりということでも、共通するところがあるように思いました。

さて、司会者の醍醐味をひとことでいうと、ぼくの場合はこうなります。「全体を見渡し、一人一人のよさを活かす」

堺正章タモリ明石家さんまなど大御所はもちろん、SMAP中居正広くりぃむしちゅー上田晋也などなど、定評ある司会者は、自分が目立つことではなく他の参加者の持ち味を活かすことに長けた人ですね。

ぼくが今やろうとしていること=ミッションをひと言でいうと、「聞き上手になるためのお手伝い」になります。この「聞き上手」には「聴く(listen)」と「訊く、質問する(ask)」が含まれます。

今まで自分のことしか頭になかった人が聞き上手になれば、相手との関係も良くなります。またその過程で自分自身との関係も良くなります(なぜ聞き上手になれば不安やストレスが減るのかについては、また改めてまとめてみたいです)

相手や自己との関係がよくなれば、情報が増え価値観が多様化した社会のなかで、ひとりひとりが自分らしい自然体で生きやすくなります。

そんな風に、ぼくは「聞き上手になるためのお手伝い」で周りの役に立てればいいなあと思っています。

聞き上手になるお手伝いと司会者も共通点がありそうですね。「自分を消して、相手を活かす」、そんな役割意識でしょうか。

司会の経験は、さらに積んでみようと思っています。そのフィードバックが皆さんの役に立てれば幸いです。


【Q】(自分が目立つのではなく)相手や周りをどう活かせるか?

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