漢字は中学校卒業までに何文字覚えるの?

フェイスブック日本語グループで、面白いやりとりがありました。

漢字の覚え方に関するスレッドのコメント欄で、ぼくはこんな風に説明しました。

小学校6年間で1000字、中学校3年間で1000字、合計2000字ほどを覚えますよ。

すると、別の人が「中学では全部は習いませんでしたよ。中学高校で1000字だと思います」と返答しました。実際はどうなのでしょう。

もともとの僕の認識は「小学校中学校の義務教育の間に常用漢字2136字を習う」というものでした。内訳は以下のとおりです。

常用漢字が2136字
そのうち
小学校6年間で1006字
中学校3年間で1130字


ところが、コメント欄での指摘をうけて文部科学省の学習指導要綱を見ると、中学校までに常用漢字すべてを習うとは書いてありませんでした。中学校の第3学年で「常用漢字の大体を読むこと」となっていました。

文部科学省の学習指導要綱・国語
〔第3学年〕
ウ 漢字に関する事項
(ア) 第2学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字の大体を読むこと。


もう少し詳しく見てみます。中学校学習指導要領解説 国語編」の各学年における漢字に関する事項によれば、中学校の3学年における漢字学習の目標は以下のようになります。(多少意訳して紹介)

【中1】

  • (読み)「小学校の1006字」&「残り1130字のうち300〜400字」読めるように
  • (書き)小学校の1006字のうち900字程度を書いて使えるように

【中2】

  • (読み)「小学校の1006字」&「残り1130字のうち650〜850字」読めるように
  • (書き)小学校の1006字を書いて使えるように

【中3】

  • (読み)「小学校の1006字」&「残り1130字のだいたい」読めるように
  • (書き)小学校の1006字を使い慣れるように

いかがでしょうか。中学校卒業までに常用漢字すべてを学習しなければいけないわけではないこと。また、読みと書きが区別されていて、書くことについては、中学校卒業時には小学校でならう漢字(学年別漢字配当表に示されている漢字)を「使い慣れること」が目標となっていました。

いずれにしても、2000字もの漢字を覚えるのは、外国人にとっても、日本人の子供にとっても大変な作業ですね。ぼく自身は辞書を見て漢字を正確に書くのが好きな子供でしたが、今考えると気が遠くなります。

アルファベット26文字が中心の文化圏とは大きく異なる文化圏に暮らしているのだと、改めて感じました。

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