樹海と山手線

高田純次です。あれはおれが彼女と富士の樹海に迷い込んだときの話。
 「おおつか=疲」れた。
すでにおれの「いけぶくろ=胃袋」は空っぽだ。
 「はらじゅく=腹減った」。
彼女も…
 あたし、もう「しんじゅく=死んじゃう」。

そのとき、何かが「うえの」方を「よよぎ=横切」った。
 きっと「うぐいすだに=鶯だな」。
 ちがうわ、「めじろ」よ。
いや、そんな「こまごめ=細々」したことはどうでもいい。「ゆうらくちょう=悠長」なことを言っている場合じゃない。生きるか「しんおおくぼ=死ぬ」かの瀬戸際なのだ。
ヒューン、ビチャ。うわっ、鳥のフンが頭に。おれは「ごたんだ=地団駄」を踏んで悔しがった。おまけに足をくじいてしまった。
 「おお…さき」に行ってくれ。
 なに言ってんのよ。
 「しながわ=仕方が」ないだろ。
 「たかだの、ばば=高田のバカ」
痛てっ。おれは「しんばし=しばし」考えた。ふっ、なんだ「かんだ」言っても、こいつはおれを愛しているのだ。よし、ここは気合いを「はままつちょう=一丁」入れて、歩こう。おれはどんどん歩き始めた。彼女も「しぶやしぶや=しぶしぶ」ついてくるのだった。

「とうきょう=とうとう」日が暮れ「たばた」。
 ん…ちょっと「たまち=待った」。なんだか「おかちまち=おかしい」。
 なに? な「にしにっぽり=何してるの?」
 湧き水だ…。
 え、あたしたち、ひょっとして、ひょっと「すがも=するかも」。
彼女は「にっぽり=にっこり」。ぼくも自然と「えびす」顔。
 だけど、ダジャレはもう「あきはばら=飽きたわ」。
 いやいや、もっと樹海を「めぐろ」うよ。

高田純次さんをイメージしてテキトーに書いてみました。JR山手線は29駅。来年、品川と田町の間で新駅の工事が始まるらしい。