トートロじいさんのロジカルな一日
トートロじいさんの朝食は論理的
「パンはパンである」
「リンゴがリンゴでない、ということはない」
「この卵は割れているか、割れていないかの、どちらかだ」
「美味しいミルクは、今日も美味しい」
そして微笑んだ
トートロじいさんの外出は論理的
「今日は出かけるか、出かけないか、どちらかにしよう」
「スミスさんが先月よりやせた、ということは、
スミスさんは先月より太ってはいないということだ」
そして微笑んだ
雨が降っても、論理的
「雨が降り、同時に降っていない、ということはない」
風が吹いても、論理的
「風が吹き、同時に風が吹かない、ということはない」
人生についても、論理的
「わたしが生きていて、同時に死んでいる、ということはない」
そして満面の笑みをうかべた
トートロじいさんは、一日の終わりにも論理的
「太陽は今日も、太陽
月は今日も、月
大地は大地。夜空は夜空
わたしは、わたし
すべてのものは、そのもの自身」
しばらくして
トートロじいさんの寝息がきこえてきた