愛の不毛

昨日までのエントリーで有名小学校の入試問題を扱いました。
ところでこの問題って、見方によっては「社会の縮図」でもあるような気がします。

社会の構成員(A君、B君、C君、D君)は、それぞれ断片的な知識をもっています。でも全体像を見渡せているわけではありません。D君は一見、いちばん多くの情報を持っているようにみえますが、実際に自分の帽子の色がわかるのは、C君、そしてB君の順になります。
たくさん知識を持っているようだけど、自分のこととなると全くわかってない人、あなたの周りにもいませんか?

ついでに、こんなケースも見てみましょう。題は「愛の不毛」です。


  • 太郎は花子を愛している(太郎の情報)
  • 花子は太郎を愛している(花子の情報)

2つの情報を足すと、太郎と花子は相思相愛になるようにみえます。だけど、その断片的な情報が2人の間で共有されないかぎり、太郎も花子も知識の全体像(お互いが愛し合っていること)を手に入れることはできないのです。

手持ちの情報と、それに伴う感情や行動の関係は、決して単純ではありません。