矛と盾と空飛ぶ豚(証明編)

矛と盾と空飛ぶ豚の続き

「どんな盾も突き通す矛」と「どんな矛もふせぐ盾」が同時に存在したら、豚が空を飛ぶ。

「果たしてそんなことが本当に証明できるのだろうか?」
ブタゲンシュタイン博士は首をかしげながら、記号による証明を試みた。

そして3日後の早朝…
「できたぞ…」
博士は静かにつぶやいた。それが下の証明である。

  • P:どんな盾も突き通す矛がある
  • ¬P:どんな盾も突き通す矛はない(←どんな矛もふせぐ盾がある)
  • Q:豚が空を飛ぶ

とすると、以下の手順で証明できる。

  1. P(どんな盾も突き通す矛がある)
  2. P∨Q(どんな盾も突き通す矛がある、または、豚が空を飛ぶ)
  3. P∨Q(どんな盾も突き通す矛がある、または、豚が空を飛ぶ)と¬P(どんな盾も突き通す矛はない)からQ(豚が空を飛ぶ)が導き出せる。

(証明終わり)

「ついにやりましたね、博士!」
助手のコブタ君が興奮して駆け寄った。
「これで大空を自由に飛ぶという豚の夢がかないますね!」

「いや…だめだ」
ブタゲンシュタイン博士は悲しそうに首を振った。
「その前にどんな盾も突き通す矛とどんな矛も突き通す盾を作らなければ…ブヒ」

→「矛盾」って何だ?