論理入門

論理なき世界「判決」

「論理とは何か?」を知るために「論理なき世界」を想像してみよう。 たとえば裁判の判決が以下のようだったらどうだろう。 「主文、被告人を死刑に処する。 …理由は、ない」 何かが、おかしい。判決が下されるかぎりは、何らかの根拠が示される必要があるの…

論理なき世界「プロポーズ」

たとえば、こんなプロポーズがあったらどうだろう。 「ボクと結婚してください。 だってキミはボクの… 彼女ですらないのだから」 何がおかしいのか?おそらく、「だって」の前後がヘンなのだろう。「だって」の前後のつながり。 そのあたりに「論理」が隠れ…

論理という機械(メモ)

■基本アイデア 論理を一種の機械としてしてイメージする。■この機械の特徴 真理を入力すると真理が出力される(真理保存性)■使用上の注意 出力(結論)の正しさを判定するためには、入力(前提)に注目すること■対応 前提ー導出ー結論 入力ーロンリ機械ー出…

木の描き方とロジックツリー(6)四角形を分ける

木の描き方とロジックツリー(5)中国の古い百科事典のつづき次に「区分の規則」の2番目について。 2.区分された下位の部分は互いに共通部分をもってはならない たとえば、四角形を台形、平行四辺形、菱形、長方形、正方形、その他に分類するとどうなる…

木の描き方とロジックツリー(5)中国の古い百科事典

木の描き方とロジックツリー(4)分類と系統のつづき中国の古い百科事典によると、動物は次のように分けられるそうです。 皇帝に属するもの 香の匂いを放つもの 飼いならされたもの 乳呑み豚 人魚 お話に出てくるもの 放し飼いの犬 この分類自体に含まれて…

木の描き方とロジックツリー(4)分類と系統

木の描き方とロジックツリー(3)木のモデルで情報整のつづきわたしたちがものごとを認識するときに用いる「木のモデル」は、大きく2つの領域に分けられます。ひとつは「分類」で、もうひとつは「系図」です。 分類:意味のまとまりを体系的に分解する 系…

木の描き方とロジックツリー(3)木のモデルで情報整理

木の描き方とロジックツリー(2)デカルトによる4つの規則のつづき知識を整理するとき、わたしたちはよく「木のモデル」を茂用います。会社の組織、家系のつながり、生物の進化などを枝分かれする木のかたちで表すと、全体のイメージや関係がとても理解し…

デカルトvs.世間の人々

結局、デカルトは全てを疑って何をしようとしたのでしょう? けれども、わたしがその時までに受け入れ信じてきた諸見解すべてにたいしては、自分の信念から一度きっぱりと取り除いてみることが最善だ、と。 わたしの計画は、自分の思想を改革しようと努め、…

デカルト怪物説のリアリティ

20年も前ですが、大学生のとき映画の授業を受けたことがあります。そのときのテーマは1930年代から40年代にアメリカで流行したスクリューボール・コメディというジャンルで、講師は映画評論家でフランス文学者でもあるH先生でした。 映画から軽々しく教訓…

木の描き方とロジックツリー(2)デカルトによる4つの規則

木の描き方とロジックツリー(1)レオナルド・ダ・ヴィンチの木のつづき未知数を小文字の「x」で表現する。最初にこの表記をはじめたのは誰だかご存知ですか? …答えはフランス生まれの哲学者・数学者ルネ・デカルト(1596-1650)です。デカルトより半世紀…

木の描き方とロジックツリー(1)レオナルド・ダ・ヴィンチの木

木はどんな規則で枝分かれしているのだろう。 今から500年前、レオナルド・ダ・ヴィンチは樹木をじっくり観察して、ある規則を発見した。 分かれた小枝の断面の合計は、もとの枝の断面の面積と等しい。 最近の研究によれば、植物はこのような規則で枝分か…

思考の贅肉カット(オッカムの剃刀)

「オッカムの剃刀(かみそり)」という思考の規則があります。 <オッカムの剃刀> あることがらを説明するときは、必要以上に多くの存在や前提を持ち込むべきではない。 これはもともとアリストテレスが唱えた思考規則だそうです。イングランドのオッカム村…

あなたは直観派? 論理派?

僕がこうしたいと思うことはイイこと。 僕は直感に従うんだ。 直感が僕を運んでいってくれる。 でも僕にはみんなの迷信がわからなかった。 まるで自殺するみたいじゃないか。僕が人生のゲームをするとき それが毎日よくなっていくように頑張ってる。 僕が夜…

前提と友だち

前提条件 [presupposition] 友だちとは話がすらすらとはこぶ。列車の中ではじめて会った人との間では,こんなふうにすらすらと話が進むというわけにはいかない。というのは,友だちとの間には,前もって二人の間にたくさんの共通の了解ができているからであ…

「矛盾」ってなんだ?

※矛と盾と空飛ぶ豚(証明編)のつづき その絵を見た男は言った。 「これはパイプである」画家は言った。 「これはパイプではない(パイプの絵である)」哲学者は言った。 「これがパイプであり、かつ、パイプでない。ということはない」 矛と盾と空飛ぶ豚(…

矛と盾と空飛ぶ豚(証明編)

※矛と盾と空飛ぶ豚の続き 「どんな盾も突き通す矛」と「どんな矛もふせぐ盾」が同時に存在したら、豚が空を飛ぶ。 「果たしてそんなことが本当に証明できるのだろうか?」 ブタゲンシュタイン博士は首をかしげながら、記号による証明を試みた。そして3日後…

矛と盾と空飛ぶ豚

「矛盾」という熟語の由来は有名ですね。「どんな盾(たて)も突き通す矛(ほこ)」と「どんな矛も防ぐ盾(たて)」を売っていた男が、客から「その矛でその盾をついたらどうなるか」と訊かれて答えられなかったという話。紀元前の中国の書物『韓非子』にで…

デカルトの発禁すれすれ本

昨日の記事でデカルトの『方法序説』に言及した。 「我思う。ゆえに我あり」で有名な、教科書にも登場する『方法序説』。だけど出版当時は発禁本すれすれ、相当ヤバイ(!)本だったことをご存知だろうか。『方法序説』が出版されたのは1637年。このときデカ…

迷子の王様(結論へといたる道に注目する)

迷子の王様が道にたたずんでいました。「王様、あなたはどこから来たのですか? どんな道を通ってここへ来たのですか?」「どこから来たのか、とんとわからぬ。 わしの国はどこにあるのだろう…」 いま、どこにいるのかを知りたい。そのためには どこからスタ…

殺し屋(論理的とはどういうことか?)

殺し屋「お前を殺しにきた」 男 「なぜだ?」 殺し屋「なぜなら、お前が死ぬほど好きだからだ」 殺しにきた理由が「お前が好きだから」だと、 殺される側も納得がいきませんね。 では、どんな理由なら納得できるでしょうか? 「なぜなら、闇の組織からお前を…

マンホールの彼女(なぜ論理が必要か?)

「なぜ論理が必要なの? 教えて」 彼女はマンホールから顔を出して、不思議そうに尋ねました。 「それより、なぜ君はマンホールから出てきたの? どうして服を着ていないんだい?」 ボクは彼女に尋ねずにはいられませんでした。 私たちの日常には「なぜ?」…