キューピーおじさんと弁髪の子供

図書館で、前頭部の一部から長い毛の束が生えているおじさんを見た。毛の束のまわりに毛はない。成長したキューピーちゃんかもしれない。

スーパーで、試食用のコロッケを際限なく食べる子供を見た。母親は見て見ぬふりだ。子供はしばらくうろうろ歩き回った後、再びもどり、コロッケを食べはじめる。毎日の栄養補給だろうか。

(このスーパーの隣のマンションでは、前日に3歳の男の子が11階から転落するという、取り返しのつかない事故があった。マンションの前には立ち入り禁止の黄色いテープが張り巡らされ、警官がものものしく仕事をしていたけれど、一夜明けるとそれもなくなった)

キューピーおじさんは今日も本を広げ、子供は今日も試食用コロッケを口に放り込むにちがいない。