木の描き方とロジックツリー(1)レオナルド・ダ・ヴィンチの木

木はどんな規則で枝分かれしているのだろう。
今から500年前、レオナルド・ダ・ヴィンチは樹木をじっくり観察して、ある規則を発見した。

分かれた小枝の断面の合計は、もとの枝の断面の面積と等しい。

最近の研究によれば、植物はこのような規則で枝分かれすることで、風によるストレスを軽減できるのだそうだ。

さて、このようなレオナルドの規則に従えば、木を上手に描くことができる。イタリア生まれの国際的な造形家ブルーノ・ムナーリは『木をかこう』(須賀敦子訳/至光社)という絵本で、こう書いている。

幹から遠くなるほど、枝は細くなります。これが規則です。

ぼくも絵本を参考に木の絵に挑戦してみた。まずは基本形。比較的規則正しく枝分かれする木。

幹だけ長くて、枝が短い木。

最後の枝だけ長い木。

ついでに、家の近所の木も少々。

実際の木は完全に規則どおりというわけではない。でも枝分かれの規則を念頭に置くだけで、いままではゴチャゴチャにしか見えなかった木の仕組みがリアルに浮かび上がってくるようだ。

さて、ここからが本題である。似たことが論理的思考についてもいえる。

一見複雑な問題も木の形に整理すれば、全体像が把握しやすくなる。

この手法について、もう少し詳しく考えてみよう。

→木の描き方とロジックツリー(2)デカルトによる4つの規則