武田邦彦先生の「正しい」トークショー・その1

縁あって、中部大学教授・武田邦彦先生のトークショーに行ってきました。会場は下北沢の小さな書店B&B。せっかくの機会なのでいろいろ質問もさせてもらいました。メモ書き程度ですが、記事に残しておきます。

まず、ぼくがタケダ先生に興味を持った理由は2つ。ひとつは、いちどタケダ先生のブログを検証して、トンデモ結論が出てくる具体的理由が自分なりに理解できたこと。武田邦彦読解入門:「タバコを吸うとガンになる可能性は3分の1以下になる」ってホント!?「タバコを吸うとガンになる可能性は3分の1以下になる」というおかしな結論になる理由は「元になる円グラフの読み方がデタラメだったこと」にありました。

もうひとつは、タケダ先生の講演を聴いた知人が「面白かった〜」と感心していたこと。「地球温暖化理論はインチキ。地球の気温は500年周期で変動している」みたいな話だったそうですが、細部はデタラメ(たぶん)ながら、聴衆を引き付ける話術の秘訣はどこにあるのかと気になりました。

さて、今回の新刊。『武田教授の眠れない講義 「正しい」とは何か?』(小学館)。世の中にはいろんな「正しさ」があるというような内容。とても面白いテーマですが、詳細は割愛します。
ぼくが比較的よく知っているタバコ問題についての記述を3〜4ページ見るだけで、案の定、初歩的な間違いやトンデモ解釈がいろいろと見つかりました。
では、これを先生ご本人に指摘するとどうなるのでしょう?

会場のB&Bは小さな書店&イベントスペース。店内にはカルチャー系の本がセンスよく並んでいます。近くに住んでいたら、何度でも立ち寄りたくなる雰囲気。奥のイベントスペースに30〜40人ほどがぎっしり入ります。1ドリンクつき2000円のチケット。ビールを1杯飲んで、先生の登場を待ちます。

タケダ先生が登場すると、みんなが温かい拍手で迎えます。1時間弱のトークでは純粋に面白かった話がいくつかありました。

たとえば「頭に箱をつくる」話。他人と意見がくい違うとき、タケダ先生は「頭の中に別の箱をつくる」のだそうです。「正しい」「間違い」などの判断はいったん保留にしておきつつ、「頭の中の箱」に自分と異なる意見を入れておく。その気持ちの余裕が大切だという内容。

ほかにも、「お金のバランスにこだわらない」話。電車賃が200円のところあえて500円の切符を購入するような生活を、タケダ先生は32歳から40歳まで8年間続けたのだそうです。「200円だから行く」「500円だから行かない」というのではなく「自分が行きたいかどうか」だけを行動の基準にする。「安いから焼き魚定食にする」「高いからステーキはあきらめる」ではなく「そのとき自分が何を欲しているか」を行動基準にする。

なかなか奥が深い話です。

さてトークが終わると、10分の休憩を挟んで、質問コーナー。みんな一斉に質問するんだろうなと思ったら、意外とそうでもなさそうな雰囲気。結局、僕は2番目に質問して、けっこう長く相手をしていただきました。

↓(その2)
武田邦彦先生の「正しい」トークショー・その2

(参考)
NATROMの日記「タバコを吸うとガンになる可能性は3分の1以下になる!」。何が何だか分からないよ!