イスラムは平和な宗教か?(3つの視点)

こんにちは。ワイネフ・ワイニーです。

先日、代々木にある日本最大のモスク「東京ジャーミイ」を見学したときの映像がネットで見られるようになっていました。

東京ジャーミイで、イスラムの「平和の心」に触れてみよう

視点1:東京ジャーミイ広報・下山さん

このリンク先記事では「イスラム」の語源が「サラーム=平和」だと説明されています。でもこの説明は不正確です。実際は「イスラム」ではなく、アラビア語の挨拶「アッサラーム・アライクム」が「あなたがたのうえに平和(サラーム)を」という意味になります。

それに対して「イスラム」の本来の意味は、「アラビア語服従、帰依、従順を意味する」(『イスラームの理解』Islamic Center-Japan)、「自分のすべてをだれかに委ねること」(『イスラームのとらえ方』東長靖・山川出版社)などと説明されています。
上の映像を見るかぎり(2分25秒〜3分20秒)。東京ジョーミイ広報の下山さんは、わざと曖昧にしつつ「イスラム=平和の宗教」であることを強調しようとしているのかもしれません。


視点2:ジャーナリスト常岡浩介氏
イスラム教徒でもある常岡浩介というジャーナリストがフェイスブックでこんなことを書いていました。

「テレビやラジオで、イスラム教徒としてのぼくに合わせるつもりで、MCが「イスラムは平和の宗教ですよね」と振ってくださるのに対して、「そんなこと、コーランには一言も書いてません」と答えるのが面倒くさいです。」

常岡氏は「イスラム=攻撃的・怖い」も「イスラム=平和」も、紋切り型として拒絶しているように見えます。


視点3:パスカル『パンセ』

「人間は考える葦である」という言葉でも有名な『パンセ』で、パスカル (1623 - 1662)は、イスラム教をキリスト教と対比させて辛辣に批判します。

イエス・キリストマホメットとの相違。
マホメット、預言されない。イエス・キリスト、預言される。
マホメット・殺す。イエス・キリスト、おのれのもの(信者たち)を殺させる。
マホメット、読書を禁じる。使徒、読書を命じる。
(以下略、中央文庫・パスカル『パンセ』前田陽一、由木康訳)

これを鋭い考察とみるか、クリスチャンからの一方的な視点と見るか…

三者三様の視点、いかがでしょう。