日本人はレイシスト?(アルジェリアからの質問)
アルジェリアからの質問
アルジェリアのネット友達からこんな質問された。「なぜ日本人は中国・韓国人に対してレイシストなんだ?ヨーロッパやアメリカの人間のことは崇拝するのに」
もちろんこの質問にたいして「そんなことはない」と否定することもできる。でも、わたしはこころあたりを挙げてみることにした。
- 明治以来、日本人は欧米の先進文明に追い付こうと努力してきた。そのぶんアジア諸国を軽く見るようになった。
- 戦後数十年経って友好条約が結ばれた後も、中国および韓国は日本に対し非友好的な政策をとっている。
(もちろんこれは、日本におけるいくつかの状況を描写しただけである。わたし自身はどの国にも友人がいるし、国と国のパワーゲームには様々な変数があると考えている)
わたしの答えに彼は納得がいかないようだった。
「そうじゃなくて、僕が聞きたいのはこういうことなんだ。ーーなぜ日本人は、自分たちを殺したわけでもない中国人や韓国人を憎むのか。その一方で日本人を殺したアメリカ人やヨーロッパ人を崇拝するのか。それがわからないんだよ。日本人にはプライドがないの?」
彼は日本のポップスやアイドルが好きだ。でも、アメリカに対する見方には大きな隔たりがあるようだ。
映画「アメリカン・スナイパー」
銀座でクリント・イーストウッド監督「アメリカン・スナイパー」を観た。9.11同時多発テロ後のイラク戦争に4度従軍し160人以上を射殺した伝説の狙撃手の自伝が原作で、本国アメリカでも記録的なヒットとなった作品だそうだ。
多くの日本人にとって、戦争とは70年前に終わった歴史にすぎない。一方、アメリカ人にとって、またアラブ世界にとって、戦争は現在進行形の生々しい現実だ。21世紀の戦争がどんなメソッドで遂行されたのか。その断片を目撃し、肌触りを実感するだけでも足を運ぶ価値がある映画だった。
すぐれたフィクションは、リアルな現実を体験させてくれる。