日本軍とプロパガンダとマレーシアの気持ち(3)
昨日記事にしたマレーシア人のNくんはネット友達なので、会話はすべてテキストのやりとりになります(日本語または英語)。
日本軍とプロパガンダとマレーシアの気持ち(1)
http://d.hatena.ne.jp/yosikazuf/20160105/p1
日本軍とプロパガンダとマレーシアの気持ち(2)
http://d.hatena.ne.jp/yosikazuf/20160105/p2
今日、続きのコメントがあったので、それを転載しておきます。
Nくん(マレーシア人)
しかし、一般の人にaskar jepun(日本軍)の事を聞けば、みんな普通に否定的評価を言うですね
やはり、否定的評価が一般ですね
昨日、友達と話している時にわざと日本軍の話題を持ち出せばみんなは人がたくさん制圧されたり、切られたりしたという否定的評価を言ってましたね
ひとつの生の情報源としてNくんの話を信頼するなら、日本軍のマレー半島支配については、否定的評価も多いことを知っておくべきでしょう。やはり、質問してみるものですね。
◆
「日本会議」HPから、もういちど発言を引用してみます。
■マレーシア
◎ラジャー・ダト・ノンチック 元上院議員
「私たちは、マレー半島を進撃してゆく日本軍に歓呼の声をあげました。敗れて逃げてゆく英軍を見たときに、今まで感じたことのない興奮を覚えました。しか も、マレーシアを占領した日本軍は、日本の植民地としないで、将来のそれぞれの国の独立と発展のために、それぞれの民族の国語を普及させ、青少年の教育を おこなってくれたのです。」
この類いの肯定的な引用は、ネットでも時々シェアされることがあります。「東南アジアの人々はみんな日本軍に感謝していた」というのがその趣旨だと思いますが。発言自体は事実だとしても、そこから「みんな日本軍に感謝していた」と結論づけることには、論理の飛躍があります。
- マレー系と中国系のちがい
- 肯定的評価があるからといって、否定的評価とどちらが大きいかはわからない。(むしろ否定的評価が一般的かも)
- 発言が日本での会見やインタビューの場合、肯定的な側面を強調している可能性もある。
このあたりは考慮にいれたうえで、マレーシア(やその他の国々)の人々の気持ちを推し量る必要があるでしょう。