大勢の前で質問する、ということ

子供が通っている中学校に行ってきました。来年、海外語学研修旅行があるので、その説明会です。会場の体育館には、生徒と保護者、先生など合わせて300人近くの人がいます。席は指定さてていて、ぼくはやや後ろの方でした。

上級生が旅行したときの写真がたくさん紹介されます。ホームステイ先や現地の学校での様子…みんな活き活きとしていて、羨ましい〜。ぼくもこんな体験がしてみたかった!

さて、先生や旅行会社の説明がひととおり終わったあと、「何か質問はありませんか?」という言葉がありました。

300人の体育館が一瞬シーンと静まります。誰ひとり手を挙げません。…こんな場面、ありますよね?

数秒の間をおいて、ぼくは手を挙げてみました。先生のひとりがマイクをこちらに手渡しにきます。

学校側の説明を聞いているとき、ぼくが気になったのは、「ホームステイのホストファミリーは安心できる人たちばかりなんだろうか?」ということでした。もちろん、学校や旅行会社も、その点には気を配っているはずです。「でも、具体的にはどんなシステムになっているんだろう?」

ぼくは結果的に、3つの質問をしました。

最初に訊いたのは、「ホストファミリーはどんな手続きで選ばれているのですか?」という質問です。

旅行会社の担当者が答えてくれます。ホストファミリーは、現地の運営組織が厳正な審査を経て選ばれていること。また、生徒たちの趣味や性格などと合わせて、マッチングが行われていることなど。

それを受けて、2つ目の質問。「ホストファミリーは、研修生や留学生などの受け入れ経験がある人たちが多いのでしょうか?」

これについても、「受け入れ経験があるファミリーがほとんど」との回答でした。3つ目の質問は、その研修先の街に関するのものでしたが、それは割愛します。

ぼくは最後に「ありがとうございました」とお礼を言って、質問を終わりました。

大勢の人がいる中で質問するのは勇気がいります。

ぼくの場合は、なるべく前の方に座ることが多いのですが、今回は席が指定されて後の方だったので、そのぶん大勢の人々を意識しながらの質問になります。

でも、勇気を出して質問することで、気持ちが「モヤモヤ」から「スッキリ」に変わりました。

今回の場合だと、「楽しそうな写真がいっぱい。でも初めての海外で、中学生で、1人で外国人の家族と暮らして…どれぐらい安心していいのだろうか?」というモヤモヤから、「なるほど!それだけのチェックを経て選ばれているんのか。またほとんどのファミリーはすでに受け入れ経験がある人たちなんだ」という、スッキリと安心した気持ちになることができました。

「モヤモヤ」から「スッキリ」へ。これが質問の醍醐味です。

ただ、自分としてのちょっとした反省点もあります。

今回は、3つの質問を終えた最後に「ありがとうございました」とお礼をいいました。でも、これだけだとやや事務的な印象を与えたかもしれません。

たとえば、質問の前後にもっと工夫を加えることが可能です。

たとえば、最初にひと言、みんなが安心できるポジティブな感想を言うことができます。「素晴らしい説明会で、たくさんの写真を見ながら私もわくわくしました。そのうえで1点気になったのですが…」と質問すると、質問される側も周りの人々も、暖かな雰囲気で質疑応答を聞くことができます。

同じ理由で、答えをもらった最後には、「丁寧なご説明をいただいて、こちらも安心できました。ありがとうございました」など、感謝がもっと伝わるようにすることもできたはずです。

暖かな雰囲気で、しかも冗長にならないように質問するにはスキルと経験が必要です。そこはもちろんぼく自身の課題でもあります。

帰宅後、娘にには「『あれ○○さんのパパ?』とみんなに言われるから、やめて〜」と言われました。やっぱり大勢の前で質問すると、目立つことはたしかなようです。

それはそうとして、「あの質問はよかった(それを聞いて安心できた)」と、他の父兄の方々も言っていたそうです。

「大勢の前で質問するかどうか」については、国によっても違いがあると聞きます。日本人は、どちらかといえば質問が苦手です。

とはいえ「大勢の前で質問なんてできない。そんな経験がない」ということと、「質問しようと思えば大勢の前でもできる。質問するかしないかは自分が決める」ということでは、雲泥の差があります。

ぼくが皆さんにお薦めするのは、「質問しようと思えばいつでもできる」という後者です。

質問をうまく使って、「モヤモヤ」→「スッキリ」な毎日にしませんか。

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