自転車と景色

昨日こんなことがありました。

中学生の娘から電話がかかってきて、「今日はピアノのレッスンに行けない」と。

自転車ででかけたら、とちゅうでおしりが痛くなって乗れなくなったらしい。「いまは○○橋のあたりにいるので、これから押して帰る」と。

仕方がないので、ピアノの先生にはそのことを伝えて、ぼくはそのまま家にいたのですが、それから1時間30分たっても帰ってきません。

「携帯をもたせておけばよかったなあ」と思いながら、ぼくも自転車で○○橋のあたりまえで探しにいきましたが、会えませんでした。家にもどると、その間にいちど連絡があったらしく、結局△△駅の駐輪場に自転車を止めて、電車で帰ることにしたのだといいます。

帰ってきた娘にきくと、うちは東京都足立区なのですが、海の近くまで自転車で何十キロも走った挙げ句におしりが痛くなって乗れなくなったのだとか。最近買った自転車で、よっぽど遠出したかったんでしょうね。

さて、ぼくは足立区から中央区まで往復30キロほど自転車通勤をしているので、少々の距離は平気です。昨日は娘が帰宅した後、△△駅まで行って娘の自転車で帰ってきました。△△駅からは10分もあれば家に着きます。

同じ道のりでも、人によって、慣れによって、体調によって、その時の気分によって、意味合いが違ってきます。初めてのときは遠くに感じたのに、2回目からはそうでもなかった。初めてのとき感じた新鮮な驚きを、そのうち忘れてしまった。いろんな感じ方があることでしょう。

同じように見えても、感じ方、受け止め方はひとそれぞれ。

【Q】この人からは、今どんな景色が見えているんだろう?

議論や、会話もこれと似ています。相手がどんな景色を見てどんな風に感じているのかを頭の隅においておけば、無駄なすれ違いも少なくなるのではないでしょうか。

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