「ひめじ」か「ヒめじ」か?

ぼくの傾聴の先生である岩松正史さんのブログにこんな話がありました。

方言や地域特有のイントネーションてありますよね。
先日、姫路出身の方に「ひめじ」の
「ひ」にイントネーションを強く発音したら
「違うと」いわれまして(汗)。
「ひ」は上がらず「ひ・め・じ」と同じぐらいの強さだと。
http://keicho.aeruba.co.jp/blog/?p=3145


ここに登場する「姫路出身の方」は僕ではありませんが、ぼくも姫路出身なので分かります。たしかに地元では「ひめじ」をフラットに発音します。それに対して東京の人は「ヒめじ」と、「ヒ」にアクセントを置いて発音することがあります。

  • 地元「ひめじ」(平坦に発音)
  • 東京「ヒめじ」(「ヒ」にアクセント)

このとき、地元の発音を正解とする考え方は当然あります。でも、「地元は地元、東京は東京で、それぞれ言いやすいアクセントで」という考え方もあるかもしれませんね。

極端な例でいうと、「アメリカ」を日本人は平坦に発音します。これを本場の人に倣って「あメーりか」と「メ」にアクセントをつければつけるほど、日本語としてはヘンになってしまいます。言葉は単独で存在するわけではありません。全体の流れのなかで発音されるものなので、何が自然かは、文脈によって決まってくるともいえます。

さて、「ひめじ」は平坦なアクセントだけが正解なのでしょうか。それとも「ヒ」にアクセントもありなのでしょうか。
専門的な分野でも様々な議論があるようですが、このブログでは「何が自然に聞こえるかは、文脈によって違ってくる」ことを強調しておきたいと思います。

ちなみに、ぼくはラジオのCMや番組を作っていますが、収録現場で「この地名(など固有名詞)のアクセントはどっちだっけ?」が分からなくて、関係機関に問い合わせることはよくあります。一般的な言葉なら、「アクセント辞典」を引けばいいんですけどね。

(参考)NHKクローズアップ現代 “正しい”アクセント 誰が決める?
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3714/1.html

【Q】自分はいまどの文脈で話しているのだろう?

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