赤い銀貨!?

丁銀(ちょうぎん)という江戸時代の貨幣がある。細長いかたちをしていて、重量を量りながら流通していた銀貨である。その丁銀がなんと実家にあるというから、驚いた。

ちょっと気になるのは、色が赤っぽいことだ。
ぼくの知識では、丁銀はもっと銀色をしている。最初はかなり黒ずんでいた。上の写真は磨いたあとだが、やっぱり赤っぽさは抜けない。よく磨いた十円玉のような色である。なぜだろう?

ネットで検索すると、ウィキペディアにもこのタイプの丁銀が載っていた。
両端に「保」の字が刻印されているのは天保丁銀というらしい。天保の大飢饉1833年)の後、1837年頃から鋳造されたようだ。江戸時代が終わる30年ほど前のことになる。
成分は銀が4分の1、残りの4分の3は銅である。江戸時代に発行された銀貨のなかでも、銀の含有量が少ない、どちらかといえば粗悪な貨幣だといえる。
ともあれ、銀貨なのに赤い色をしている理由がわかってよかった。一件落着!

…というのが、昨晩の結論だったのだが、もう少し検索してみると、いくら銅の含有量が多いといっても、ここまで赤いものが本物である可能性は、どうも低そうなのである。これは明治以後に作られた偽物ではないかという気がしてきた。
まあ、暇なときにコインショップにでも持っていけば、もう少し詳しいことがわかるだろう。
ちなみに、本物だとすると1つ数万円程度で買えるようだ。

こちらは丁銀の仲間の豆板銀。小さくて円い。親戚の家にあったのを、ぼくが子供のころにもらってきた。
こんな風に大黒像が刻印されているのは享保豆板銀というようだ。銀が4分の3、銅が4分の1。1714年頃から作られたというから、本物なら300年ほど前の人々が使っていたことになる。