悲劇を創作する人(解答編)

さて、東日本大震災で亡くなったという17歳と14歳の姉妹の悲話。どこが不自然だと思いましたか? ネットでいろんな人が書いていますが、たとえば…

  • 同じ話を新聞やTVが全く報道していない。
  • 身内の人間を「名前」ではなく「妹」と発言している。
  • 妹が死を知らせるときに顔文字を使うだろうか?
  • 携帯には通常、予測変換機能がついているので「ありが」で終わるのはおかしい。
  • 17歳と14歳の姉妹が同じ場所にいたのは不自然

以上のような指摘があります。
2011年3月11日は金曜日の午後。学校がある時間帯でした。だから高校生と中学生の年齢の姉妹が同じ場所にいる可能性は低いはずです。
また報道によると(2011年4月19日)、東日本大震災で亡くなった方の92%は水死(宮城県では95%)だったそうです。
これらから考えても、17歳と14歳の姉妹が同じ場所で動けなくなって亡くなったというのは不自然です。

実際に亡くなった方のリストを調べてみます。
今回の災害でお亡くなりになり身元が確認された方々の一覧表について(警察庁)
リンク先のPDFをご覧ください。宮城県だけで230ページあって圧倒されてしまいますが、宮城県気仙沼市にで亡くなった17歳は1人(女性)、14歳は0人です。
東日本大震災で亡くなった方全員のリストを調べても、該当する17歳と14歳の姉妹はいないようです。(17歳と14歳の姉妹は1組いるが、気仙沼市ではなく、お父さんらしき人も亡くなっている)

以上から、この17歳と14歳の姉妹の話は作り話である可能性が非常に高い。少なくとも、この話が事実である証拠は何一つないことがわかります。

ここから先は余談ですが、この話をフェイスブックに書いた尼僧Tさんの公式サイトのプロフィールを見ると、「独自開発の運勢鑑定で指導を行」っていること、平成19年に自費出版を行ったこと、平成23年「最後に伝えたかったこと」という本を発売したことが記されています。(姉妹の話はこの本に収録されているらしい)

大阪生まれ。
代々画家の血筋を受け美術大学を卒業。
3年の留学の後、商社に入社。13年間統括マネージャーとして従事するが、
幼児期より悩まされていた霊障が30歳にて再び激しくなったことを使命と受けとめ、
平成16年得度、2年間に渡る全修行を成満し僧となる。
法務活動を中心とし
シャキシャキした口調が人気を呼び、全国各地へ講演会で飛び回る
傍ら、篤志面接官として刑務所の受刑者教育を行う
傍ら、BONOWクラブ(法話集会)主催
傍ら、独自開発の運勢鑑定で指導を行う
傍ら、癒し系全国誌へのコラム執筆
新たに女性の悩みをコケティッシュに表現した4コマまんがの執筆を開始
また、ブログに登場する癒しの人気キャラクターをグッズ化(近日発売)
更に、大切な言葉を音楽にと、バンドを結成中。
平成19年自費出版「たった7秒のわすれもの」御礼完売(増刷未定)
平成23年全国発売「最後に伝えたかったこと」絶賛発売中

一方このTさんの名前を検索すると、pqpqx10というハンドルネームの人がいろんなQ&Aサイトでこの人の占いを賞賛・推薦しています。

pqpqx10
私は結婚できずに悩んでいました。深刻でした。あるきっかけで知り合った女性のお坊様に相談しました。その先生は易学もかなり研究されていて、こころ和む 仏様のお話もしてくださり、外見もシャープで格好良く、ユーモアも最高で私の師としています。その先生の指示通りに行い、すぐに結婚することになりまし た。Tさんといいます。HPがありますのでブログ等をチェックされてはどうでしょうか?本当にすばらしい先生です。

pqpqx10
大阪箕面市のT先生というお坊様です。なんといっても美しい!面白い!お 経もあげてくださって心身ともにリフレッシュです。友人をみんな紹介して、友人達も先生のとりこです。HPをもっておられますので検索してくださ い。(ちょっと辛口です。でも、それにハマります!嫌味なし!教えありで、ホントに最高です)

pqpqx10
箕面市にあるお寺の女性のお坊様

T先生(皆さんは「お上人」と呼んでいます)です!
単なる占いというのではなく、とにかく癒されます。
男性っぽく頼れる雰囲気でありながら、温かいのです。友人の紹介で行きましたが
笑顔をみただけで、何か吹っ切れるようはオーラがあって憧れです。

先生のブログをみていただければわかりますよ。癒しとパワーがセットになったような人。
私は2時間も話しを聞いていただき5000円でした。
1名の生年月日につき5000円。相性は2名で6000円です。
この人のようになろう!と人生の目標になっているカリスマです。

T先生はちょっと毒舌な一面もあるのですが、これがまたオモシロい。
そして美しい! そしてヨガの先生でもあってレッスンもあります。

公式HPを持たれているので覗いてみられては?

面白いことに、このpqpqx10さんは2009年に「本の売り込み」と題してQ&Aサイトに相談を投稿しています。

pqpqx10
本の売り込み
2年前に自費出版しまし た。2冊目を出版したいと考えています。初出版のときは、知人の会社が校正を担当してくれたので、単なるコピー用紙に書いたイラストでも「原稿」として 扱ってくれました。ブログのみで販売したところ数千部が売れたので本屋に並べたいという夢が強くなりました。2冊目は新たに原稿を持って営業にいこうと思 うのですが、本来どのような用紙に書けばいいのか。実際はどこにどうやって、売り込みに行けばいいのか。アポをとるにも誰に?と立ち止まっています。製本 したものを売り込みにいくべきなのか、原稿の状態がいいのか、さっぱり分からないのです。どうかご教授ください。
投稿日時 - 2009-12-04 10:06:18

17歳と14歳の姉妹は実在したのか、占い師(尼僧)Tさんとpqpqx10さんは同一人物なのか、ひとつずつ検証すると、他人の不幸を商売にする人間の業(ごう)が透けて見える気がしてきます。

(参考)
震災姉妹 最後のメールはデマ!?
「気仙沼で発見された携帯に残された最後のメール」の真偽についてのまとめ

(追記 2012.3.16)
Q&Aサイトでの自作自演については、こちらでより詳しい分析が読めます。
「震災姉妹デマメール」その後&作者の自作自演記録