「聞く」の2つの意味(listen to, ask)

みなさん気付いていましたか、日本語の「聞く」には英語の "Listen to"(聴く)と"Ask"(尋ねる)という2つの意味があることを。

きく【聞く】
(1)音や言葉を耳でとらえる。注意して耳を傾ける。(hear, listen to)
・物音を聞く
・声を聞く
・話を聞く
・うわさを聞く

(2)尋ねる、問う(ask)
・道を聞く
・住所を聞く
・自分の胸に聞け
・彼の都合を聞いてみよう

辞書を引くと、もともとは(1)の意味"hear/listen to"だったところから、しだいに(2)の意味"ask"が生まれたことがわかります。

どちらの「聞く」(listen to/ask)も、相手から情報を得るようとすることは同じ。そして、2つの「聞く」はお互いに関係し合っています。

TOEICなど英語のリスニングテストでは、やみくもに全部を聞き取ろうとするよりも、最初に問題文を読んで、「何が知りたいのか」を念頭において聞く方が、答え(情報)が見つけやすいといいます。これは(2)→(1)「askによって、listen toがしやすくなる」パターンですね。ふだん人の話を聞くときにも、同じことがいえます。

反対に、効果的な質問をするためには、まず相手の話をよく聞くことが必要です。相手の話の内容や発言意図がわかっていなければ、見当はずれの質問になったり、相手の反感を買ってしまうこともあります。これは(1)→(2)「listen toによって、askがしやすくなる」のパターンですね。

ディベートにおける「聴くこと」の重要性

みなさんも、毎日の生活のなかで「聞く」(listen to)と「聞く」(ask)を上手に使いこなしてみませんか。