ミルクファンタジーの謎

茂木健一郎さんの新書に「Milk Fantasy」という意味不明の英語がプリントされたTシャツの話があった。外国人にとっては不可解な言葉が日本では堂々とTシャツに印刷されているという話。そこから、明治期に日本人が西洋を「ハイカラ」という造語とともに理解しようとしたことなど、ちょっとした文明論が展開される。新書は返却してしまったので、詳しい内容は忘れた。

この「Milk Fantasy」という言葉で僕が連想したのはジョン・レノンのアルバムである。「Double Fantasy」は1980年発売。ジョンの死後発売された「Milk and Honey」とともに、ジョンとヨーコのキス写真がジャケットになっていて、いわば双子のようなアルバムになっている。


Double Fantasy


Milk and Honey

くだんのTシャツ製作者は、この2枚のアルバムを念頭に置いていたのではないだろうか。タイトルそのままだとマズいということでテキトーに組み合わせたのだろう。証拠はないけれど、僕はそう推測する。

知ってしまえば「なんだ」ということでも、事情を知らないと「どんな意味があるのだろう」と深読みしてしまうことは意外と多い気がする。