サイモン・シネックのTEDトークと質問学(2)
※昨日の記事の続き。
サイモン・シネックのプレゼンテーション「優れたリーダーはどうやって行動を動かすか」の要点はシンプルだ。それは「Why—How—What」という3つの質問の順番をまちがえるなというメッセージである。
普通の企業やリーダーはこの円の外側から考えるので、真ん中の「Why」までたどり着かない。優れたリーダーは中心の「Why」から考えて「How」と「What」を見つけ出すというのである。アップルの例なら、次のようになる。
※ダメな例(仮)※外側から内側へ
What:私たちは素晴らしいコンピューターを作っています。
↓
How:美しいデザインで、簡単に使えて、ユーザーフレンドリーです。ひとついかがですか?
※アップルの例(実際)※内側から外側へ
Why:我々のやることはすべて「世界を変える」という信念で行っています。違う考え方に価値があると信じています。
↓
How:私たちが世界を変える手段は、美しくデザインされ、簡単に使えて、親しみやすい製品です。
↓
What:こうして素晴らしいコンピューターができあがりました。
どちらが人の心を動かすだろうか、もちろん後者だとサイモン・シニックは言う。皆さんはどう思いますか?
◆
【質問の五つの役割】
- 質問×日常=発見
- 質問×解法=問題解決
- 質問×論理=議論
- 質問×相手=コミュニケーション
- 質問×自分=自己実現
すぐれた質問には必ず、新しい世界を開く「発見」がある。そのうえで、今回の例ならば、アップルはWhyという質問によってユニークな「問題解決」を指向しているといえる。また、ユーザーとの関係で言えばWhyの共有によって高度な「コミュニケーション」を実現しているともいえるだろう。
Whyは、ものごとをラディカル(根本的)に考えるための質問である。